虎は狩りが苦手

真面目にふざける

深刻

カメムシは凄い

びっくりしたり、危険を感じた時に臭くする。

それだけだ。

 

あいつらの必殺技”臭い”

それだけだ。

 

何の攻撃性もない”臭い”

その一点だけをひたすらに追求し、現在の地位に君臨する。

(農作物に被害を及ぼしたりもするらしいけど)

 

その執念は凄まじい

何が凄まじいって、自分の臭さで死んでしまう事もあるぐらいに

まさに命がけで”臭い”という一点を磨き上げた。

 

例えばムカデのように

毒を持ったり刺したりなど何でもアリな仁義なき害虫界で、

臭いという事象のみで己の存在感を示す。

 

そこにはある種の哲学、美学、があるような気がする。

 

 

それだけではない

 

日本刀のように研ぎ澄まされた”臭い”という武器がありながら

 

俺たちは臭さを売っているのではない。

臭いだけなら世の中には他にいくらでもある。

我々は、臭さによって起こる感動(びっくり、気持ち悪さ)を提供しているのだ。

 

とでも言わんばかりに

 

意表をついた場所に潜んでみたり、ありえない大群で押し寄せてみたり。

臭さにあぐらをかく事無く、自分たちの価値や存在意義を日夜追い求め

実行する行動力。

 

この姿勢は昨今のビジネスパーソンも見習う部分があるのではないだろうか?

 

 

 

 

「すいません」

誰かの声で現実にもどる。

 

「お、おお。何??」

「この資料確認してくれませんか?」

 

「ああ、オッケー!えーと・・・」

「大丈夫ですか?疲れてます?」

 

「いやいや、大丈夫。この資料いいやん!ありがとう」

 

すまんな部下ちゃんよ

あんたの上司は深刻で疲れた顔しながら

カメムシの妄想をしていたんだ。

 

さ、コーヒーでも飲むか。