虎は狩りが苦手

真面目にふざける

表と裏

先日、近所のファミレスで食事をした。

注文を終え待っていると、ロボットが食事を運んできた。

 

こんなところにまで自動化の波がやってきているのか。

飲食業といえば、人手不足問題を語るうえで必ず話題にあがる職種である。

 

帰宅後にあのロボットが気になったのでネットで調べてみた。

すると、まるで夢のようなロボットとの様々なメリットが書き並べられている中で

実際に働いている方であろう書き込みが目にとまった。

 

ロボットを導入したことにより、余計に手間が増えた。

それでいて、上層部からは「ロボットにより効率化できたのだから」と

言われてさらに人を減らされ地獄。

との書き込みが。

 

やっぱりか、そう思った。

表と裏ではまったく違う実情がうかがえた。

というのも私が働く業種にも自動化の波が押し寄せており、

数年前に何十億という資金を投入し、ある設備を導入した。

 

結果は散々たるものだった。

はっきりいって、業務が分かっていればそのロボットの仕様を見ただけで

ツッコミどころ満載の内容だったが、役員の鶴の一声で導入が決まった。

 

鼻息の荒い役員とは対照的に冷める現場。

こういう時、中間管理職はつらい。

「こんなのに金使うぐらいなら茶の一杯でも出ませんかね?」

うん、もっともだね。でもね、これが会社員ってやつよ。

このストレス込みで給料出てんのよ。残念ながら。

 

一年ほど経った頃、実績などあらゆるデータをまとめた報告書を作成し、

提出した時の上司の顔が忘れられない。

 

そんなはずはない!そう言っていたが残念ながらしっかりと

数字に出てしまっているのでどうにもできない。

 

しばらくの間は「正しく運用できない現場のレベルが低い」とか

「こういう風にやれば結果は出るんだ!」とか言っていたが

一か月もする頃にはその上司も目から光が消えていた。

そして数人の役員が知らぬ間にいなくなっていた。

 

これが世界有数の外資系企業で行われてるってんだから余計笑える。

 

2030年には全体で約644万人もの人手が不足する、との予測もある日本。

早くこれが過去の笑い話しになることを望む。